パリのオペラ座は、有名なオペラでもあり、ミュージカルや映画にもなった「オペラ座の怪人」のおかげで知名度が段違いですが、ミラノのスカラ座も歌劇ファンの間では、パリのオペラ座と並ぶほど有名だと思います。
そして、その2つの劇場と並んで世界の3大オペラ劇場と言われているのが、南米アルゼンチンの首都、ブエノスアイレスにあるコロン歌劇場です。
基本的なオペラハウスとしてのつくりは、パリのオペラ座・ミラノのスカラ座と変わりませんが、せっかく南米のブエノスアイレスまで来たのだから…と、豪華絢爛な劇場内のツアーに参加してきました。
目次
世界三大歌劇場テアトロコロンの劇場ツアー
テアトロコロンは、2003年から2010年ほど、大規模な改修工事を終えた後なので、劇場内きれいに修復されていました。
早速劇場内部へ
劇場内には正面玄関からは入らず、劇場に入る正面階段わきの通用口のようなところから入ります↓↓
最初に案内されたのは、衣装などの展示があるところ…昔の歌劇の衣装スケッチなどが展示されていました。
小道具や衣装を作ったりする部屋が、この劇場の地下に広がっているようなのですが、外から見える劇場建物よりも、地下のワークショップはかなりの広さになっているようで、劇場の横にある広場の下まで広がっているとのことでした。
さすがに地下室に入れるツアーはないようですが、地下のワークショップがどうなっているのか…などは教えてくださいました。
メインエントランスホール前↓↓
天井を見上げると、ステンドグラス↓↓
すごくきれいなのですが、なかなか写真にうまく収めることができないです…少し暗くしてみました↓↓ステンドグラスの鮮やかさが伝われば…と思うのですが。
そして、これがメイン階段です↓↓
ガイドさん曰く、この階段はとても重要な役割を果たしているようで、外界である俗世と崇高な芸術の世界をつなぐ階段の役割を担っているとのことです。
建設の際には、いろいろな国のいろいろな豪華な材料が使われているとのことで、ここはイタリアのピンク大理石だとか、いろいろ説明していただいたのですが、建築材に詳しくない私には少し…あまりピンとこなかったです。
この入り口からは、一番高いチケットを持った方々が入場できるのだとか…100年以上も前から、いろいろなVIPが通ってであろうところに立っているとは感慨深いです。
早速正面玄関脇の階段から上に上がって、劇場内部へと入っていきます。
1階から見えたステンドグラスの下は、廊下のようになっています。
正面の廊下奥には豪勢なシャンデリアが…↓↓
さっきの正面玄関を目下に望みます↓↓
やっぱり真下から見上げるステンドグラスはカラフルできれい↓↓
アルゼンチンの国旗↓↓
各扉枠の上には、有名な歌劇やバレエの作曲家たちの銅像が飾られています。
ベートーベン↓↓
ビゼー↓↓
ちなみに、作曲家の銅像のある間には、壁の装飾があまりにも質素にできているのですが、それは「ここの間は、それぞれ掲げられている銅像の作曲家の偉大さを表現している」とのことで、壁の装飾は意図的に質素にされているようです。
作曲家たちへの敬意が込められているとのことでした。
ベルディ↓↓
ワーグナー↓↓
次に案内された間も、大層豪勢でした↓↓(ちらと写っているのはガイドさん…完璧余談ですが、アルゼンチンの女性はブラジルの女性に比べてとても痩せていてきれいな方が多かったです!)
壁の窓もステンドグラス↓↓
天井にはシャンデリア…↓↓
ちなみに、ここの間はパリの季節が流れていたようです。
というのは、コロン劇場はアルゼンチンにあるので、当然ながら南半球の季節はパリのある北半球とは逆になります。
が、この間はコロン劇場でオペラを楽しむ方々の社交の場として使われていたそうなので、この中では「パリと同じ北半球の季節が流れていることにする」という決まり事があったらしく、ここの間での社交の時にはアルゼンチンが冬の時は夏のドレスで…、そしてアルゼンチンが夏の時には冬のドレスで参加する…といったことが、暗黙のルールになっていたようです。
それにしてもどこもかしこも金ぴかで本当に豪華ですが、この間では2メートル以上の高さの装飾は、すべて22Kの純金で施されているそうです。
下の写真にある、一部壁の色が違うところは、2003年から2010年ほどにかけて行われていた改修工事の際に、改修前のそのままの壁の色を残しておこう…とのことで、そのままの(改修前の)壁の色が保存されているようです。
今、豪華絢爛なこの間も、建設当時のころの様子が再現されているようです。
この、昔は貴族の社交場として使われていた間も、近年ではコロン劇場専属オーケストラの無料コンサートのために解放されたり、オーディションの際に使われたり…といった用途がメインになっているようです。
豪華絢爛な間を抜けて、ついに劇場内へ向かいます。
世界3大歌劇場のテアトロコロン…劇場内見学
ツアーではボックスシート2階という、一番高いチケットの席を見せてもらいます。
この半円の廊下に並ぶドアは、各ボックスへ続く入り口です。
ここから入るといよいよ劇場です。
私たちがツアーに参加した日は、照明のテストのため、劇場内全照明が点灯されていました!
劇場内部↓↓2階ボックス席最前列より…
横にはボックス席が並びます。
右手も…。
右手の2階ボックス席一番奥は大統領専用の「プレジデントシート」と呼ばれているそうです。
舞台上では、この日上演される演目の準備が進められている最中でした。
ちなみに部隊上部にある電光掲示板は、オペラなどもともと原曲の言語で演じられるため、英語とスペイン語両方での字幕用だとのことです。
ボックス席から身を乗り出すようにして上を見上げると、天井には大きなシャンデリア…↓↓
上のほうには立ち見スペースも用意されているのですが、結構ステージからは距離がありそうです↓↓
実際に上からの眺めは怖そうです…高所恐怖症な私はきっと演目に集中できないかもしれません。
ボックス席のシートはこんな感じ↓↓で、固定されていませんでした。
ちょっと手持ちのGalaxy S7でパノラマ写真を撮ってみました↓↓(それ以外の写真はすべてFujifilm X70で撮影しています。)
大統領専用!プレジデントシートからの眺め
ツアーの終盤では、実際に大統領席と呼ばれる、ステージ向かって右端のボックスシートにも入れてもらえます。
プレジデントシートは、前述のとおり、2階ボックス席の一番端っこにあるために、ステージが3分の2ほどしか見えません。
が、オーケストラピットはすごくよく見えます↓↓
私はオペラでもミュージカルでもオケピに注目したいので、ここの席、いいかもです。
そして、ステージは3文2ほどしか見渡せないのにも関わらず、なぜここに大統領が座るのでしょうか…
劇場ツアーのガイドさんが説明してくれたところによると、もともと大統領は「私も時間を割いて観劇に来たぞ」ということが誇示できるように、ステージでの演目は見えにくくても、観客の目からは大統領の存在が見えやすい席に座る必要があるため…との、きわめて政治的な理由でここが大統領席となっていることがわかりました。
大統領席からは確かに客席の眺めは最高です…ということは、客席からも大統領の存在はばっちり確認できたはずです。
なるほど、政治家はいつの時代も大衆へのアピールが大事!ということが分かったエピソードでした。
それでも、多少の死角はあるものの、ステージも近くて迫力も満点そうです。
大統領席からの眺め…正面↓↓
先ほどの客席から覗き込むように見上げた天井の巨大シャンデリアも、大統領席からはとてもよく見えます。
このシャンデリアには、人が入り込めるようになっているようで、劇中に登場する天の声(天使や神様の声)などの役の演者さんがここでスタンバイして、ここから演じることもあるようです。
観客席からは、頭上のどこからか声が聞こえるけど、劇場内こだまする天の声がどこから来るのかわからない…というような感じになり、とても効果的にそのような天の声の演出ができるようです。
ところで、すべてのボックス席に通ずるドアには、上に番号が振っていあるのですが、↓↓このように…
でも、大統領席にはプレジデントの「P」という文字が彫られたタグが掲げられています。
余談ですが、ここの劇場もやっぱりエレベーターはヨーロッパ調の古いケージ状になったものでした↓↓
このエレベーター…ヨーロッパや、ヨーロッパの植民地だった国々の古い建物では、今でもよく見かけますが、ぶっちゃけ現代のエレベーターに慣れている私たちには怖いですよね。
と、そんなこんなで劇場内ツアーは終わりです。
所要時間、ちょうど50分でした。
テアトロコロンの劇場内ツアーはおすすめ!
ブエノスアイレスで1日観光する時間があるのなら、劇場内ツアーは本当におススメです!
オペラやバレエに興味のない方でも、劇場内ツアーをすると、南米で一番ヨーロッパ的と言われるアルゼンチンで、南米を味わいつつも、ヨーロッパの特権階級の暮らしぶりの一面が見えて、とても面白いと思います。
ツアーの概要
ツアーは一人250ペソ(2016年12月のレートで2000円弱※)で、15分おきに開催されています。
だいたい所要時間50分ほど、最大34人がまとまって1つのツアーに参加できるのですが、予約も可能なので、テアトロコロンについた時点で、すぐ次の会がいっぱいでも、またその日のうちの遅い時間や、次の日などの予約をしておくといいと思います。
ただ、英語の会は毎時00分開始の会となっているようなので、スペイン語のツアーではなく、英語のツアー限定にしてしまうと、1時間に1回開催ということになります。
私たちも早速テアトロコロンについてから劇場ツアーに参加しようとしたところ、一番近いツアーがすでに定員に達してしまっているとのことだったので、次の回を見送り、食事を挟んでの会を予約をしました。
※2016年12月のレートで、ツアー料は250ペソ=2000円弱ですが、アルゼンチンはものすごい通貨が不安定なところなので、これからもどんどん変動がありそうです。
あまりアルゼンチンの物価に関しては、このブログをあてにしてしまうと、あとから「ちょっと違った」なんてことにもなりかねないので、興味のある方はこちらの公式サイトを確認してみてくださいね。
また、ツアー自体は毎日開催ですが、劇場の公演時間やリハーサル予定によっては、ツアーが中止になる場合もあるとのことなので、事前に確認するか、現地でご確認ください。
テアトロコロン公式サイトトップはこちら…(カレンダーというタブでは今後演目予定も見ることができます!)
日米韓行ったりきたりしながら会社員しています。