韓国から日本へ海外送金したときの話です。
窓口での送金先の口座登録手続きや送金限度額引き上げについて、備忘録的に綴ります。
目次
韓国から海外送金したい!
韓国で生活していたけど、そろそろ帰国予定…なのにウォンがたくさんあまってしまったり、韓国で就職したけど、日本の自分の銀行口座に給与を送金したい…など、韓国に住んでいると、色々な理由で海外送金が必要になると思います。
なのですが、結構ややこしいこともあって、少しまとまった金額を海外送金で韓国外に出したいと思っても、私の場合はこまごまと事前登録などが必要でした。
ちょっと優待金利を受けられるようにしてお得に…かつ、楽に(スマホからとか)海外送金できるようにするまでの準備について書きました。
と…送金準備の前に、少し予備知識から…。
韓国から海外送金…限度額がある!
基本的に、韓国にある銀行口座から、年間5万USドルまでは国内所得証明なしで海外の口座に送金できます。
ということは、所得の無い外国人でも、何らかの理由で(もともと自分が持ち込んだウォンなど)海外送金が必要な場合は、特に銀行に届け出なくても、年間5万ドルまでは、自由に海外送金できるようです。
そして、1年間とは1~12月までのことなので、12月31日に5万ドル相当を送金しても、1月1日になれば年間限度額はリセットされて、またその年の12月31日までの間に5万ドルまでなら送金できるようになります。
送金枠が5万ドルでは足りない!という方…韓国でお給料をもらっていた場合(所得証明が出来る場合に限り)や、そのほか韓国国内での所得がある場合、銀行で事前登録をしておくと、限度額を引き上げることが出来ます。
限度額の引き上げ方
限度額引き上げの流れとしては、
- (韓国)国内所得証明の提出
- 国内所得を銀行口座名義人と紐付け
- 送金限度額引き上げ
といった感じです。
そのために必要な提出書類ですが、基本的には銀行へ
- 源泉徴収票(など、所得証明ができるもの)
- パスポート
- 外国人登録証
を持って行きます。
ちなみに、私の場合は所得証明のため、韓国語では근로소득 원천징수영수증(日本語:勤労所得 源泉徴収領収証)という言う書類を用意しました。
所得証明の種類によっては追加書類を求められる場合もあるようでしたが、私は大丈夫でした。
また、給与は年単位で遡って登録することが出来るので、先日私は、ここ数年分の未登録だった源泉徴収領収証を提出して、過去数年間すべての所得を登録してもらいました。
そうすると、たとえば初めて韓国から日本への送金のための給与登録をしようと思った場合…私には
- 2016年=XXXウォン
- 2015年=YYYウォン
- 2014年=ZZZウォン
このような所得が過去3年間あった場合、私が2017年に送金できる限度額は、基本枠の5万ドル+XXXウォン+YYYウォン+ZZZウォンを合算した額となります。
そして、仮に限度額目いっぱいまで、2017年内送金したとします。
すると、2014~2016年分の所得分はもう送金できません。
そして2018年には送金限度額は基本枠の5万ドルに戻るのです。
ただ、また1年間2017年は働いているので、2017年にもXYZウォンの所得が発生している場合、その所得を銀行に登録さえすれば、2018年も基本枠5万ドル+XYZウォンの合算額が、私の2018年海外送金限度額となるようです。
そしてさらに、国内所得のあるなしに関わらず、海外送金基本限度枠として外国人には5万USドル分が設けられていて、毎年それはリセットされる…ということです。
ところで、限度額のほかにもう一つ、気にするべきところがあります。
それは…▼▼
外国為替取引銀行・支店
韓国の銀行では、口座を複数持っていた場合、どの銀行口座からも送金できるわけではないようです。
「外国為替取引指定銀行(외국환은행)」という指定をした銀行の口座からのみ、送金が可能です。
外国為替取引指定銀行に指定された銀行は、外国との取引の内訳を保管・管理している銀行ということです。
外国との取引とは主に…海外留学生への送金、外国人国内所得の海外送金、贈与性海外送金、海外支社経費送金、海外直接投資、海外不動産取得などなど、があります。
この指定銀行がまたちょっと厄介で…取引内容が増えてくると、後で変えるのが結構面倒くさいのです。
とりあえず、私の場合は日本への送金をハナ銀行(旧KEB)で始めてしまったので、今も「CITIに変えたい…」という気持ちを持ちつつも、継続的にハナを海外送金用銀行として使っています。
海外送金に関する各種手続きは指定支店でしかできない!
海外とのやり取りに関すること(海外送金先の登録や送金限度額引き上げのための給与登録など)は、どの支店に行っても受け付けてもらえるのではなく、外国為替取引指定銀行(…しかも、指定支店(特定の支店)!!)に行かないとできません。
ちょっとややこしいですが、海外送金申請をA銀行のABC支店でしたのでしたら、海外送金受け取り口座登録など、海外送金に関することはすべてそのA銀行のABC支店に行かないと、受け付けてもらえない…とのことでした。
現に、私がよく使うハナ銀行の支店から徒歩数分のところに、同じくハナ銀行の別の支店があるのですが、そちらのほうが時間帯によっては人が少ないようだったので、そっちに送金関連手続きをお願いしに行ったことがありました。
そのときお願いしたかったのは海外送金先登録だったのですが………断られました。
理由は、そこが私の外国為替取引「指定支店」じゃなかったから…。
そんな…数百メートルしか離れてないし、同じ銀行の支店なのに…断られて切なかったです。
とても面倒くさいですが、規則なので仕方が無いですね…
とりあえず人が多いけど、いつも行く「指定支店」までもどりました。
送金受け取り先の事前登録手続きをするとスマホ・ネットで送金可
送金受け取り先の銀行口座を事前に登録することで、スマートフォンからやインターネットから送金が簡単に出来るようになります。
私が今回新たに送金先として登録した2つの金融機関はSMBC信託銀行とみずほ銀行です。
SMBC信託銀行プレスティア(旧シティバンク)を登録する場合の場合
SMBC信託銀行は、海外送金受け取りに関して手数料が発生しないので、留学生時代からよく使っていました。
ここの口座を送金受け取り先として登録のしたときは、
- 受け取り銀行名
- 受け取り銀行住所
- 受け取り銀行SWIFTコード
- 中継銀行名(決済銀行と韓国語で言う)
- 中継銀行SWIFTコード
- 口座番号(マルチマネー口座)
をメモって、もっていきました。
中継銀行名はSMBC信託銀行指定のCitibank Japanでした。
詳細はコチラへ⇒SMBC信託銀行プレスティア海外送金受領の際のご案内
余談ですが、ハナ銀行はCITI Japanと送金に関する直接提携なし…なので、ハナ銀行から日本CITIへの送金はKEB Japan経由となるそうです。
なので、お金の流れとしては…
- ハナ銀行(送金元)
- KEB日本支店
- CITI Japan
- SMBC信託銀行(受け取り)
2と3の2つの銀行が中継銀行となるので、その際に追加で中継手数料がかかる場合もあるとのこと。
SMBC信託銀行に問い合わせてみると、3のCitiでの受け取り~4までは、受け取り手数料はかからないとのことでした。
あとは2の中継手数料ですが、後ほど確認してみることにします。
ちなみに、ハナ銀行が直接取引のある日本の銀行…たとえばみずほ銀行などは、KEB Japanを中継せずに、直接送金が可能なので、場合によっては手数料を最小限に抑えられるかも。
みずほ銀行を登録する場合
似たような感じですが、みずほでは中継銀行の指定が特に無かったので、受け取り銀行の情報のみを登録しました。
また、ハナ銀行の場合、みずほ銀行とは直接取引があるようなので、中継銀行無く、みずほ銀行の口座へ送金できるようです。
登録の際、メモっていった情報はこちら▼▼
- 受け取り銀行名
- 受け取り銀行SWIFTコード
- 受け取り口座番号
- 支店名
一つだけ…SMBC信託銀行の場合は、受け取り銀行の住所があったのでよかったのですが、みずほの場合は受け取り住所が無く困っていました。
すると、窓口の方が、日本の銀行なら詳細な住所を記載しなくても、支店名さえしっかり書いてあれば送金できるとのことだったので、受け取り銀行住所のところに、私は支店名だけ書いて提出しました。
アメリカの銀行口座への送金の場合
アメリカの銀行口座を受け取り口座として登録する場合も、必要な情報は日本の銀行口座を登録する際とだいたい同じですが、ABA番号だけ、追加で必要になります。
ABAとは、the American Banc Associationのことで、ABA番号は時に「Routing Number」とも呼ばれます。
9桁の数字ですが、アメリカの銀行が発行した個人用小切手に記載があります。
そのほかはSWIFTコードや銀行の住所など、日本の銀行口座登録時と同じ情報が必要です。
とりあえず、ここまでの登録手続きでやっとスマホから海外送金できるようになりました。
送金手数料メモ
最後に、送金手数料についてですが、韓国側の送金手数料はハナ銀行の場合はどんなに高くとも1万ウォン(1,000円程度)とのこと。
韓国の銀行の海外送金手数料は、日本のものよりだいぶ安いそうで、窓口の方に「こちら側からの送金手数料を気にするよりも、日本は送金に関する受け取り側の受け取り手数料を気にしたほうがいいです…。」と、アドバイスされました。
調べてみると、どこの都市銀も大体2,000~3,000円ほどの手数料(被仕向送金手数料※1)がかかるようでした…やっぱ韓国より少し全体的に高い印象…。
ただ、SMBC信託銀行のマルチマネー口座(円普通預金口座ではないです)に関して言えば、受け取る際の手数料は無料です。
※また、中継銀行を複数経由する場合は、それぞれの中継銀行でも追加で手数料がかかる場合があります。
円建て送金の場合の両替手数料メモ
さらに、円建てで送金するのか、現地通貨建てで送金するのか…によって手数料も異なります。
送金側で、送金前に両替して、受け取り側では円を受け取るといった場合には、送金の際に、送金側で両替しなければいけないので、規定のレートで両替されてから送られます。
現地通貨でそのまま送金する方法もありますが、その際は、受け取り側で円に両替されてしまうのか、それとも現地通貨のまま、口座に入金されるのかを確認する必要があります。
現地通貨のまま送金して、現地通貨のままの受け取りをしたい場合は、受け取り口座がその通貨に対応しているのか、問い合わせてみるのがいいです。
両替手数料はどのタイミングで円に両替されるのかによって、どの銀行の手数料がかかってくるのかが違います。
為替レート:送金用と現金用の違いメモ
ハナ銀行の場合は、公式レートと送金用・現金用為替レートの違いが、丸々ハナ銀行の為替手数料として設定されています。
そして銀行の人に聞いてみたら、たいてい公式的なレートは現金用レートのほうが買いたい通貨が高くなt
ちなみに、現金両替用のレートのほうが高く設定されている理由ですが、キャッシュでの両替のほうが、あまり大きな金額が動かないことが多いので、初期設定では高くなっているようです。
ただ、韓国の銀行には、為替ためのいろいろと優待サービスという「○○したら手数料XX%割引!」というサービスが充実していて、たとえば預金残高○○円以上でXX%割引…窓口じゃなくて、インターネットでの取引だとXX%割引…など、いろいろあるのです。
最近は円だと最大90%割引になることもあります。(気になる方はコチラ⇒ハナ銀行サイバー両替)
なので、色々と割引を重ねていくと、現金両替用レートのほうが、送金用レートよりもよくなった!なんてことも…。
ただ、大金をキャッシュで持ち歩くのはイヤだし…まぁたいていの場合はおとなしく送金レートを使うことになると思いますが、現金レート優待と違って、コチラの送金レート優待のほうは結構ハードルが高くて、クレジットカード引き落とし口座指定でXX%とか、給与振込み口座指定でXX%などなど…が多いかな。
本当に色々な優待サービスがあるので、実際に窓口でどのように送金するのが一番お得なのかは、聞いてみるのが一番です。
いろいろと長くなりましたが、また何か海外送金に関して必要手続きが出てきたり、気づいたことがあれば、追記するようにします!
※※※情報は2017年記事執筆時のものです。最新情報や詳細は各金融機関までご確認くださいませ。
日米韓行ったりきたりしながら会社員しています。