日常会話で一番よく使う言葉かもしれない「ありがとう」という言葉…
多分、韓国語の勉強を始めてから自己紹介の次に、、、イヤ、自己紹介よりも前に習うと思います。
「おはよう」「こんにちは」「ありがとう」…は基本ですもんね!
ところで、
韓国語では「ありがとう」って意味の言葉が大まかに2種類あるのですが、
【コマウォヨ】
【カムサハムニダ】
私は今韓国の企業で韓国人と一緒に働いているのですが、韓国語を勉強し始めて2年の私には、その使い分けがイマイチ分からなかったので、職場の韓国人の方に聞いてみました。
もちろん、翻訳家の方や韓国語の言語専門家の方にしてみたら、明確な定義があるのかもしれないですが、
あくまでも…私の周りの韓国語ネイティブの方々が、どう感覚的に2種類の「ありがとう」を使い分けているのか…という視点にて、見てみたいと思います。
目次
韓国語で「ありがとう」何種類もあるの?
辞書に載っている基本形ですが…
고맙다 (コマプタ)…Komapta
감사하다 (カムサハダ)…Kamsahada
と、2つあります。
カタカナ表記については、無理やりカタカナにするとこんな感じかな…という発音ですが、
もう少し韓国人の話す発音に近づけたのをローマ字で表してみました↑↑
これを、普通に使う【…요】(…ヨ)と【…습니다】(…スムニダ)のカタチにすると
고마워요(コマウォヨ)…Komawoyo
고맙습니다(コマッスムニダ)…Komassmnida
감사해요(カムサヘヨ)…Kamsaheyo
감사합니다(カムサハムニダ)…Kamsahamnida
と、なります。
こちらもローマ字で韓国人の発音に近い音を表してみました↑↑
「ありがとう」何が違うの?
では、一体何が違うのでしょう…
감사하다
これは漢字の「感謝する」からきています。
감사하다をカタカナ表記にすると、カムサハダですが、この「カムサ」の部分が感謝という漢字です。
最後の〜ハダという部分は、◯◯をする…という単語に使われています。
ですので、直訳すると「感謝する」…となります。
고맙다
対して、こちらコマプタですが、こちらは漢字が語源ではなくそのまま韓国で使われていた言葉だそうです。
さっきもちょっと書いたのですが、韓国語の単語にはざっくり2種類あり、漢字が元になっている単語とそうでない単語…
前者の漢字が元になっているのはおそらく日本と同じように中国から伝わりそのまま韓国語として根付いたのだと思います。
また、後者の漢字が元になっていない方…こちらはずっと韓国語として伝えられている語彙のようです。
ですので、고맙다と감사하다もざっくりというと漢字が元になっているのかそうでないか…の違いとなるようです。
また、程度の問題ですが、感謝します…という意の「감사하다」のほうが”感謝度”が格上とのことです。
韓国人に聞く「ありがとう」使い分け
では、次に場面別の使い分けですが、韓国語でどちらも同じ意味で「ありがとう」、
実際の使用例に違いはあるのでしょうか。
周りの韓国人同僚の方々に聞いてみたところ…
감사하다
- かしこまった感じ
- 文章では【감사합니다】こちらを使う
- 目上の人にもこっち
- 形式的で、アナウンス放送などの最後などでも使う
- とりあえず、ちゃんとしないといけない場合もこっち!
고맙다
- 友達や自分より年下の人によく使う
- 文章では見ない
- 気軽な感じ
だそうです。
どちらも同じく韓国語「ありがとう」ですが、是非意識して使い分けてみてください。
韓国語で「ありがとう」…ざっくりまとめ…
私なりに使い分けるシーンは、
감사합니다が、普通に「ありがとうございます」というシーンで使うとすると、
고마워요は、「どうもです」くらいのニュアンスで大丈夫なところで使うイメージです。
ちなみに余談ですが、감사하다の方は、「감사합니다」と【…습니다】(…スムニダ)バージョンで使うことが多いですが、
고맙다のほうは、【…요】(…ヨ)型で使うか、もしくは「고마워」と、最後の【…요】(…ヨ)が省略されている場合もあります。
このような違いからも、用途の違いが想像できておもしろいですよね!
韓国語で「ありがとう」シーンごと使い分けと派生形!
では、以上のことを踏まえて、どの「ありがとう」が適しているのか、実際のよくある場面を交えてまとめてみました。
韓国の会社で使うありがとう!
韓国の会社では、日本の会社と同様、基本的には丁寧な表現が求められますが、仲のいい上司と部下(平社員~課長ぐらいまで)は、ヒョン(男性が、自分より年上の男性に向けて呼ぶアニキ!的な呼び方)と呼んでいる人もいたり、親しげにパンマル(タメ語)で話している人もいます。
上司へ
それでも、上司には基本形の「감사합니다(カムサハムニダ)」以外は使いません。
ここは絶対に。
部下や後輩へ
部下には「コマウォ~」とかを使います。
でも、韓国の企業で働いていて思うのは、そこまで部下に感謝の意を言葉にして表しているようなおじさん上司はいないような…。
それでも態度を見ていれば、かわいがっている部下などはわかるのですが、仕事の上で「ありがとう」と素直に部下に言えている上司は珍しいように思います。
ちょっとこっぱずかしいとかそんな感じで言葉にしない方も多いのかもしれませんね。
態度に出ていないわけではないので、別に言葉にして「ありがとう」と言わないからといってイヤな感じはしないのですが…、私としては「コマウォ~!」と言葉にできる上司の人は人一倍格好良く人間的に思えます。
韓国旅行や韓国の日常生活で普通に使うありがとう
一般的に使われるデフォルト「ありがとう」:
これも普通の場面では「감사합니다(カムサハムニダ)」と言っておくのが一番無難です。
明らかに20歳以上違ったり、子供にいうときは「コマウォ~」と声をかけてもいいですが、韓国人の敬語とパンマル(タメ語)の違いは、韓国人が使い分けてこそ…という感覚が韓国人の中にはあるようで、基本的に外国人には英語の感覚で…なのか、相手が年上だったりしても、パンマル(タメ語)で話しかけてくる失礼な人もいます。
日本人は敬語とタメ語と…状況によって使い分ける癖がもともとついているので、韓国語でも敬語とタメ語の違いを学んでいくと、違和感なく使い分けられると思いますが、外国人が使い分けることについて、違和感がある!と言ってくる人も中にはいます。
なので、私はとりあえず「後輩(または年下)だ…」と思っても、韓国式に年齢で敬語とタメ語を使い分けるのではなく、無難に日本式の「仲良くなるまでは基本的に敬語」という態度をとりつつ、常に「감사합니다(カムサハムニダ)」を使っています。
友達に使う「ありがとう」:
友達に使うありがとうは、基本的に고맙다系です。
コマウォ~など、と使っていますが、基本的に韓国人風に言うと「友達」となりえるのは、同い年(同学年や同期入社)の子らだけなので、基本的にはパンマル(タメ語)です。
あとは気軽に「감사 감사~(カムサカムサ~)」と…日本語だと感謝感謝~っ!って感じで、気楽に伝える場合もあります。
番外編!友達同士の「ありがとう」カカオトーク編
たまに、쌩유とか、땡큐とか…チャットで使うことがあったのですが、最初はなんのことだかわからなかったです…。
文脈的にはどうやら「ありがとう!」という意味だったので、送ってきてくれた子に聞いてみると、「なにいってるの?쌩유=Thank youでしょ?」って、当たり前のように言われました。
日本語のカタカナ英語同様「サンキュー」という文字列を見て、Thank youだ!と連想できる日本語初心者の英語ネイティブがいないのと同じく、쌩유だけの文字列を見て、Thank youだ!とピンとくる韓国語初心者の外国人もいなさそうですが、どうやら「Thank you」です。
쌩유(ッセンッユー)ってちょっと崩した感じで、面白いですよね…땡큐(ッテンッキュー)ならまだしも…。
やっぱりカタカナ英語も外国人には難易度が高そうですが、ハングル英語も外国人にはハードルが高いです。
機会があったら、韓国人の友達にぜひ使ってみてくださいね!「쌩유!」
以上、韓国語の「ありがとう」についてでした。
日米韓行ったりきたりしながら会社員しています。