南米ブラジルに出張や駐在行ってきて~と言われて…できることなら行きたくない人は、どれくらいいるでしょうか。
私は正直、できることなら行きたくないです。
1年の半分を南米で過ごすようなペースで出張に行き始めてからだいぶ経ちますが、ほかの国担当の同僚からは「南米は遠いからマイルがたまっていいなぁ~」だとか、「ホテルもいいところ泊まれるじゃん!」だとか…いろいろな声が聞こえてきます。
最近は慣れてきて、感覚がマヒしてきたせいか、最初ほどの恐怖心はありませんが、それでもやはり初めてブラジル出張に行った時から「できることなら行きたくない」という思いでいっぱいです。
そんななか、ブラジル担当のほかのチームメイトから無言でこんな動画が転送されてきました。
高級ホテル入り口での出来事
ブラジルのフェイスブックで拡散されている動画はこちら↓↓
https://m.facebook.com/story.php?story_fbid=10154860143982673&id=570477672
一応言葉で説明すると…
- ハイヤーのような車がホテルのエントランス(ロータリー)に入ってくる
- ハイヤーから男性がホテルのドアマンのエスコートで降りる
- ハイヤーの運転手も出てきてスーツケースを取り出すため、トランクを開ける
- ホテルのドアマンにスーツケースを引き渡す
- ハイヤーに乗ってきた男性と運転手さんが代金・領収書やらのやり取りをする
- その際、男性はいったん自分の荷物を足の間に置く
- 2人組の男が運転手と男性に近づく
- と、2人組の男が、運転手とのやり取りのために地面に置いてあった鞄を持ち去ろうとする
- 一人の男が拳銃で男性や周りを脅しながら、カバンを持ち、立ち去ろうとする
- そしてさらに2人組のもう片方が、男性を後ろから押さえ、暴行を加える(ここでも押さえたときに何か奪ったのかも)
- 2人組の男はバイクで立ち去る
こんな感じの動画でした。
被害者の男性は、2人組の男がバイクで立ち去った後に、ホテルの従業員に助けられながらホテル内に入っていく…というところで、動画は終わっています。
しかもこれは、コスパの高いビジネスホテルなどで起こったことではなく、高級ホテルチェーンに分類されるインターコンチネンタルホテルのエントランスで起こった出来事です。
なぜ、こんな記事を書くのか
これからブラジルに行こうというかたや、ブラジルに今滞在中の方に、ブラジルというところを、無駄に怖がってほしいわけではないです。
「怖い」だけがブラジルではないのは確かなのですが、私たちの住み慣れた日本とは、あまりにも違う…ということを、絶対に忘れてはいけない…と、再度私自身も確認させられた動画でした。
私も、このような動画を見るのは本当に嫌いで、特に南米出張の前に見ると、本当に怖くなって…すごくつらくて逃げ出したくなる、さらに出張に行きたくなくなってしまうような動画です。
それでも、無言でこの動画を共有してきたブラジル担当の方も、私を怖がらせるために送ったわけでも、ましてや面白がってシェアしたのでもありません。
「常に気を付けるんだ。無事に帰ってくるんだ」というメッセージが込められていると、私は受け取りました。
この無言でのやり取りは、この変な…なんとも言葉では言い表しがたい恐怖心を経験した方でないと、うまくわからないかもしれません。
ではなぜ、自分の中だけにとどめておかず、こんな記事を書いているのか…
単純に、恐怖心が自分の中だけでとどめておけなくなったからです。
かといって、周りの人に直接いうと、さらに心配をかけてしまうと思い、なかなか正直なところも話せません。
そしてそんな自分勝手な想いで記事にしていますが、このことで、これからブラジルに行かないといけない方(特に初めての方)の、その恐怖心をさらに煽ろうという気は断じて無いです…。
もう、やり場のない心に任せて、自分に「気を引き締めていこう」と言い聞かせる意味でも記事にしてしまいました。
本当に本当に、現在滞在中の方も、何度も南米に仕事で行っている方も、毎回毎回気を抜かず、どうか…どなたも南米で悲しい事件・事故に巻き込まれないでほしい…との思いです。
動画に添えられた投稿者のコメントには「We don’t have public security (ポルトガル語直訳)」とあります。
私も、現地の人から何度も何度も念を押されましたが、万が一似たような目にあっても、絶対に逆らわないでください。
「逆らうな、それが最小限に被害を抑えられる可能性のある、唯一の対処策だ」と聞いています。
ブラジルに駐在などで滞在中の方、ブラジル旅行中の方、ブラジルに仕事で出張中の方、これから行く予定のある方…本当に気を付けてください。
「ブラジル」まで来て思うこと
もちろん、ブラジル人はとても陽気な方も多いですし、家族想いな素敵な方も多いです。
が、一方では国内情勢が不安定で、とんでもない格差社会で…頑張っても報われない現実を生きている人々も多いです。
ブラジルの怖さは、ブラジルに滞在した人が一番よくわかっていると思いますし、ブラジルの良さもやっぱり滞在した人が一番わかると思います。
私も仕事とはいえ、せっかく縁あって、地球の裏側まで連れてきていただいたのですから、いろいろな「ブラジル」を見て、肌で感じて、今後の糧になれば…との一心です。
あまり後味の良い記事とは言えないかもしれないですが、慣れてきたから大丈夫!と軽率な行動をとり始めないよう、自戒の意も込めて、今の想いを勢いのまま綴りました。
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日米韓行ったりきたりしながら会社員しています。